こんにちは福岡の質屋ハルマチ原町質店の吉積佳奈です(^^)
母の羽織
母は巧子(きょうこ)といいます。家紋や女紋(女系の家紋)と別に
趣味の着物には「しゃれ紋(洒落紋)」を入れる習慣があったようです。
これは後々女系で着回しても誰の物なのか所在がはっきりするなんとも
商家の合理性と洒落っ気のある紋の付け方だと私はガッテンしています。
きょうこ→ 桔梗紋、祖母(フジエ)はバランスがいいから好きだったようで
下り藤などの 藤の紋でした。この機知に富む親娘の会話を幼少期に直接
目の当たりにした私は何て贅沢な情操教育の時間を過ごしていたんだろうと
今更ながらに思います。品格あるお洒落なこの親娘の趣向は私の憧れでした。
このなんともいえない美しい京紫の羽織は若いときに母から譲り受けたもので
背中に桔梗紋が付いています。丈の短い羽織は今はまったく流行っていませんが
室内でも着用できてかえって動きやすく仕事もしやすく今時分は大変重宝します。
譲り受けた着物に袖を通すと祖母や母にそっと守られているような気がして
勇気凛々元気が出てくるのです♪ 終活、終活ってなんでもかんでも捨ててしまう
ばかりが能じゃありません。古きに寄りて新しきを知る 活かす力もセンスのうち。
洒落紋 しゃれ紋 2人に感化され自分でも付けてみることに。佳奈の漢字の意味は
美しい果実。6月生まれだから「梅」を調べているとき四君子紋に出合いました。
貪欲だった若い日の私は梅だけでは飽き足らず 四君子紋を趣味の色留袖に
入れました。お社中の初釜に着ていくと凝った紋ですね。と声を掛けられます。
美術の時間 好きな色を一色決めなさいと先生に言われ、赤と緑 どちらも好きで
私はどうしても一色には絞れません。と強調したことがあります。バランス感覚が
いいと逆に褒めてくださる先生でした。やはり褒められると人は伸びるものかも。
もし着物を新調する機会があったら今度はすっきりと梅の紋を入れたいと思います。